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領土征服時代への回帰?
―― 世界秩序の未来を左右するウクライナ

タニシャ・M・ファザル ミネソタ大学教授(政治学)

The Return of Conquest?: Why the Future of Global Order Hinges on Ukraine?

Tanisha M. Fazal ミネソタ大学教授(政治学)で、著書にState Death: The Politics and Geography of Conquest, Occupation, and Annexationがある。フォーリン・アフェアーズでは「分離独立運動の未来―― なぜ暴力路線へ向かう危険が高いか」(2018年8月号)などを発表している。

2022年6月号掲載論文

いまやロシアの侵攻によって、領土の侵略と征服を禁止する規範が、第二次世界大戦以降、もっとも深刻に脅かされている。国際社会がロシアによるウクライナ領土の編入を許せば、各国はより頻繁に国境線を武力で変更しようと試みるようになり、戦争が起き、帝国が復活し、消滅の危機に瀕する国が増えるかもしれない。侵略と征服を禁止する規範が薄れてゆけば、世界は領土紛争のパンドラの箱を開け、数百万の市民が無差別攻撃の標的にされる恐れもある。だが、国際社会は経済制裁と国際法廷を利用して、ロシアの粗野で違法な侵略行為にペナルティを科すことができる。国際社会が領土の征服を禁止する規範を擁護できなければ、大国と国境を接する諸国はかなりの消滅リスクに直面することになる。

  • 武力による現状変更
  • 国の領土保全
  • 規範はどのように定着するか
  • 脅かされた規範
  • 領土征服時代への回帰?

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